子どもが作ったゲームに「遊び方を書こう」と声をかけたものの、「矢印で動かす」だけでよいのか、物語や攻略法まで必要なのか迷っていませんか。まずは始め方・使う操作・目指すこと・終わった後の操作を、実際の作品に合わせて短く書けば十分です。
この記事では、ゲームの動作確認や家族の反応の観察ではなく、作品に添える説明文そのものを作ります。紙に書いて端末の横に置ける「遊び方説明カード」を使い、子どもが決めたルールを、初めて遊ぶ人向けの言葉に整えましょう。
遊び方には「遊ぶ人がすること」を書く
説明を書こうとすると、制作中に苦労したことや、キャラクターの設定から話したくなるかもしれません。それらも大切ですが、最初に操作を知りたい人へ渡す説明とは分けておく案です。
例えば「空の国に住むねこが冒険します」は世界観の紹介。「右矢印キーで右へ進み、星を集めます」は遊び方です。物語を削る必要はありません。遊び方を先に、その下に物語や制作の話を置けば、両方を残せます。
Raspberry Pi FoundationのScratch入門ガイドも、作品の説明には開始方法や必要な操作を、順序立てて簡潔に書くことを案内しています。以下のカードと例文は、その教材の翻訳ではなく、家庭で説明文を作るための編集部の提案です。
説明を読めば必ず遊べる、という保証はありません。ここで目指すのは、作品のすべてを解説することではなく、遊び始めるために必要な情報をそろえることです。
そのまま写せる「遊び方説明カード」
まずは次の表を、紙やメモに写してください。各欄を長い文章で埋める必要はありません。作品にない機能は書かず、まだ決まっていないルールは「未定」のままにします。
| 書く項目 | 確かめる内容 |
|---|---|
| 始め方 | 何を押すと遊びが始まるか |
| 操作 | どのキーやボタンで、何が起こるか |
| 目的 | 何を目指して遊ぶのか |
| 終了の合図 | どんな状態になったら終わりか |
| もう一度遊ぶ方法 | 終了後、何を押すと再開できるか |
| 必要な補足 | 音の有無、使う端末など、先に伝えたい条件 |
記入するときは、子どもに「このゲームで、遊ぶ人にしてほしいことは何?」と聞くところから始めても構いません。文章を書くのが負担なら、保護者が本人の説明をそのまま書き留めます。
「うまく書けない」と止まったら、書く順番を変えましょう。まず実際に使っているキーを挙げ、次に各キーの役割を書き、その後で目的を足す進め方も選べます。
記入例:ねこを動かして星を集めるゲーム
次は説明文の作り方を示す架空の例で、受講生の作品や実際の授業記録ではありません。記載した機能があるゲームを想定しています。
緑の旗を押すと始まります。
右矢印キーで右へ、左矢印キーで左へ動きます。
空から落ちてくる星を、ねこで受け止めてください。
「おしまい」と表示されたら終了です。
もう一度遊ぶときは、緑の旗を押してください。
星を取ると音が鳴ります。
もし緑の旗の後にスタートボタンを押す作品なら、その操作も必要です。逆に、再開機能がまだないなら「もう一度遊ぶ方法」を想像で補わず、「再開方法は制作中」としておきます。
「押す」「動かす」の曖昧さを直す
下書きができたら、短さより先に操作する対象が特定できるかを見ます。「ボタン」「ここ」「あれ」が出てきた部分を、画面上の名前や具体的なキーに置き換えてみてください。
| 下書きの例 | 書き換えの例 |
|---|---|
| 矢印で動かす | キーボードの左右の矢印キーで動かす |
| ボタンを押して始める | 画面下の「スタート」をクリックして始める |
| スペースで飛ぶ | スペースキーを押すとジャンプする |
| 敵に気をつける | 敵に触れないように出口を目指す |
| 終わったらやり直す | 「もう一度」ボタンをクリックしてやり直す |
これらは書き換え方の例です。左右に動かない作品へ左右キーの説明を追加するなど、表に作品を合わせる必要はありません。
また、同じキーでも「短く押す」と「押し続ける」で遊び方が違うなら、その違いを書きます。「スペースキーを押し続けると上昇する」のように、手の動きまで示すと、伝えたい操作を具体化できます。
子どもが付けたボタン名は、説明文でも同じ表記を使いましょう。画面では「冒険へ!」なのに説明では「開始ボタン」と書いていたら、「『冒険へ!』をクリック」にそろえる案があります。
攻略の秘密まで書く必要はない
「全部説明したら、発見する楽しみがなくなる」と子どもが気にする場合は、操作の情報と、解き方の情報を分けます。
例えば迷路ゲームなら、「左右の矢印キーで移動する」「出口を目指す」は基本の説明に入れる候補です。一方、「本棚の後ろに近道がある」は攻略のヒントとして、最初のカードには載せない選択ができます。
お子さまに合う学び方診断
正解・不正解を決める診断ではありません。今の様子から、取り組みやすい学び方の入口をご案内します。
謎解き作品でも、何を入力できるのか、どこをクリックできるのかまで秘密にしたいのかは、本人に確認してください。「入口を探すこと自体が謎」という作品なら、その意図を残して構いません。
迷ったときは、下書きに「最初から伝える」「困った人へのヒント」「最後まで秘密」の印を付け、最初の説明には必要なものだけ残しましょう。保護者が面白さを判断して書き足すのではなく、作り手が公開する情報を選ぶための整理です。
紙・作品画面・Scratchの説明欄を使い分ける
説明文を作るために、新しく説明画面をプログラミングする必要はありません。家庭で見せる段階なら、まず紙のカードにする方法があります。
- 紙のカード:作品を変更せず、文章や絵を差し替えたいときの選択肢。
- 作品内の説明画面:遊び始める場所に説明を置きたいときの選択肢。表示する仕組みの制作が必要。
- Scratchの作品ページの説明欄:作品ページを見る人へ、遊び方を文章で伝えるための場所。
Scratchの作品ページにある説明欄については、前述のRaspberry Pi Foundationのガイドで使い方が紹介されています。同ガイドは、作品に音がある場合、そのことも説明するよう案内しています。
紙のカードを作るだけなら、ネット公開は不要です。説明を書くことと、誰でも見られる状態にすることは別の判断として扱ってください。
説明ができた後に「どこが伝わらないかを家族に見てもらいたい」と考えたら、自作ゲームを家族に試してもらうための観察シートを使えます。この記事のカードは説明文を作る道具、観察シートは遊ぶ人が迷った場面を残す道具です。
よくある質問(FAQ)
説明は何文字くらいにすればよいですか?
この記事では文字数の基準を設けません。始め方、必要な操作、目的が抜けていないかを先に見てください。長くなったら、物語や制作の感想を別の場所へ移し、操作に必要な文章を残す方法があります。
まだ字を読めない子に遊んでもらう場合は?
使うキーの形を描き、その隣に動く向きの矢印を添える案があります。画面のボタンと同じ絵をカードに使っても構いません。絵だけで伝わるとは限らないため、必要なら大人がカードの内容を読み上げてください。
パソコン用の作品に「タブレットでも遊べる」と書いてよいですか?
タブレットでの操作を確認していないなら、書かないでください。キーボードを使う作品なら、まず「キーボードの左右キーを使います」と、必要な操作を明記します。ほかの端末で遊べるか不明な場合は「未確認」と分けておきましょう。
ゲームではなく、動く絵本にもカードを使えますか?
使えます。「目的」の欄を「見方」に替え、「登場人物をクリックすると次の場面へ進みます」など、読み手がすることを書いてください。自動で最後まで進む作品なら、途中の操作は不要であることを伝える案もあります。
教室で説明カード作りも相談できますか?
CotoMiraiは、年齢や興味、理解度に合わせた個別指導と、ロボットやコンピューターを使うものづくりを案内しています。方針はCotoMirai公式サイトで確認できます。ただし、家庭の作品を使った説明カード作りを体験で扱えるかは不明です。希望する場合は事前にお問い合わせください。
「遊ぶ人に伝える」ことを次の制作テーマに
カードができたら、本人が残したい表現を確かめて区切りにしましょう。文章を整えるだけでなく、ボタンの名前をそろえる、操作を絵で示すなど、作品に合わせた次の作業を選べます。
港区・南青山周辺で学びの場を探している方へ、CotoMiraiの入会案内では、年中以上のお子さまに無料体験への参加を案内しています。年中未満のお子さまはプログラミングトイスポットの案内をご確認ください。対象や申し込み方法は、以下の公式ページに掲載されています。
参考にした情報
- Raspberry Pi Foundation:Getting started with Scratch
- CotoMirai:子どもの自作ゲームを家族に試してもらうには?遊びにくさを見つける観察シート
- CotoMirai公式サイト:個別指導とものづくりの方針
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