子どもが作ったゲームを遊んでみたら、操作は分かるのにすぐ負けてしまう。でも、本人は「簡単にしたら面白くなくなる」と設定を変えたがらない——そんなときは、難しさを全部なくすのではなく、何に間に合わないのかを見て、関係する設定だけを変える方法を試してみてください。
敵の速さを落とすのか、次の敵が出るまでの間を空けるのか。同じ「難しい」でも、選ぶ設定は違います。この記事では、操作方法が伝わり、プログラムも意図どおり動いているゲームを対象に、難易度を調整するための表と進め方を紹介します。
まず「誰が、何を楽しむゲームか」を決める
設定を触る前に、遊んでほしい相手と、残したい面白さを短く書きます。「家族みんなが必ず勝てるゲーム」にそろえる必要はありません。
例えば、落ちてくる物をかごで受け止めるゲームなら、「初めて遊ぶ家族にも、落下地点を見て移動する面白さを味わってほしい」と決められます。ここで残したいのは、落ちる物を見て移動先を選ぶ部分です。
一方、「慣れた人が素早い操作に挑戦するゲーム」にしたいなら、速さは大切な要素です。落下速度を下げるより、遊び始めだけ物が重ならないようにする案を検討できます。
次のように、難しさを分けておきましょう。
- 残したい難しさ:落ちる場所を見て、かごを動かす方向を選ぶ。
- 緩めてもよい難しさ:受け止めた直後に、反対側へ急いで戻らなければならない。
以下の対応表や調整表は、家庭で設定を選ぶための編集部の提案です。公式の評価基準や、年齢別の適正難易度を示すものではありません。
「間に合わない場面」から変える設定を選ぶ
「もっと簡単にする」だけでは、変更箇所が決まりません。負ける直前の場面を、速さ・続けて出る量・移動の距離に分けてみます。
| 想定する場面 | 最初に比べる設定 | 今回は変えずにおく条件 |
|---|---|---|
| 落ちる物に気づいて動き始めても、到着前に通り過ぎる | 物の落下速度を遅くした版 | 出現位置、出現間隔、かごの動き |
| 目の前の物は取れるが、次の物への準備が間に合わない | 次の物が出るまでの間隔を長くした版 | 落下速度、出現位置、かごの動き |
| 近くに出れば取れるが、画面の反対側だと届かない | 出現する横方向の範囲を狭くした版 | 落下速度、出現間隔、かごの動き |
| 動かす時間はあるが、狙った位置にかごを止めにくい | かごの移動速度を抑えた版 | 落ちる物の速度、出現位置、出現間隔 |
これは原因を断定する表ではありません。「この設定を変えたら、困っている場面がどう変わるか」を比べる入口として使います。
特に、かごを速くする案には注意が必要です。遠くへ届きやすくしたいのか、狙った場所で止めやすくしたいのかで、試す方向が逆になります。「自分のキャラクターは速いほど簡単」とは決めず、今回の目的に合わせて選びましょう。
Scratchで調整するときは、数値の役割を確かめる
Scratchの公式「ピンポンゲームカード」には、ボールを速く動かすために移動の値を大きくする例が載っています。移動量と見た目の速さを結び付けて確かめる参考になります。Scratch公式のピンポンゲームカードを見る
ただし、自分の作品も同じ組み方とは限りません。移動量を指定しているのか、移動にかける時間を指定しているのかを確かめず、「数字を小さくすれば遅くなる」と一括りにしないでください。
保護者が先に正しい値を決める必要はありません。調整する欄の横に、「落ちる速さ」「次が出るまでの待ち時間」のように意味をメモし、変更すると何が変わる予定なのかを明らかにします。
どの値が何を担当しているか分からない場合は、その時点では不明として扱います。関係のない数字をまとめて書き換えるのは避けましょう。
本記事では、共通の推奨値は示しません。出現位置やキャラクターの大きさ、移動方法が異なる作品に、同じ数値を当てはめることは想定していないためです。
難易度調整表で「採用する設定」まで決める
試す前に、元の設定を残してください。別の設定と比べた後、元へ戻す選択もできるようにします。
表には、数値だけでなく「残したい難しさ」を書く欄を設けました。勝てたかどうかだけで採用を決めず、作り手が目指す遊びになったかも確認するためです。
| 記入する項目 | 記入例 |
|---|---|
| 遊んでほしい相手 | 操作を覚えたばかりの家族 |
| 残したい難しさ | 落下地点を見て、移動する方向を選ぶ |
| 緩めたい場面 | 受け止めた直後、次の物への移動が間に合わない |
| 今回変える設定 | 物が出るまでの間隔 |
| 元の値/試す値 | 作品の実際の値をそのまま記入する |
| 固定する条件 | 落下速度、出現位置、かごの大きさと移動速度 |
| 変更後に確かめること | 次の落下地点を見てから動き出せるか |
| 採用・戻す・保留と、その理由 | 移動方向を選ぶ余裕ができ、待ちすぎる感じもないので採用する |
記入例は架空の設計例であり、実際の利用者の体験談ではありません。変更後の様子と採用理由は、その家庭で確かめた内容に置き換えてください。
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比べるときは、遊ぶ条件をそろえる
元の設定を遊んだ人と、変更後を遊ぶ人をそろえ、同じ端末・操作方法で比べてみます。練習で慣れた影響も考え、変更後だけでなく元の設定も再び遊べるようにしておきましょう。
落下位置が毎回ばらばらになる作品なら、調整中だけ出現位置を固定する案もあります。固定が難しければ、たまたま取りやすい配置だった可能性を残し、その場で採用を決めず「保留」にしてください。
速さと出現間隔の両方を変えたくなっても、まずは選んだ設定だけを比較します。それで目的に届かなければ、その結果を残してから別の設定を検討する流れにします。
「簡単にした版」と「挑戦する版」を分けてもよい
家族向けに調整すると、作った本人には物足りなくなることも想定できます。どちらかを捨てるのではなく、練習用と挑戦用の設定を残す方法があります。
例えば、練習用は出現間隔を長めにし、挑戦用は元の間隔に戻す。落下速度や操作方法は共通にして、「次の物への準備時間」が違う構成にします。
最初から難易度選択のボタンまで作り込む必要はありません。まずは設定表で違いを整理し、別々に保存して遊び比べる形でも構いません。選択画面の制作は、その違いを残すと決めてから検討できます。
調整を終える目安は、「誰でも勝てるようになった」ではなく、最初に決めた相手が、残したかった挑戦に取り組める設定を選べたことです。狙いがかなったら、さらに変更を重ねず、いったんその版を残しましょう。
よくある質問(FAQ)
作った子だけがクリアできるゲームは、失敗ですか?
それだけで失敗と決める必要はありません。作り手自身が難しい操作に挑戦する目的なら、その設定を残せます。初めての人にも遊んでほしい場合に、相手に合わせた版を別に用意するか考えましょう。
難易度は成功した割合で決めればよいですか?
家庭の制作では、共通の合格率を設ける必要はありません。「落下地点を見て移動先を選べたか」など、そのゲームで楽しんでほしい行動を確かめる基準を先に決める方法を提案します。
幼児が作ったゲームでも、この表を使えますか?
すべての欄を本人に書いてもらう必要はありません。保護者が表を持ち、「次がすぐ出る版」と「少し待つ版」を見せ、本人が残したい方を選ぶ使い方もできます。数値の説明や書き込みは、本人が扱える範囲にとどめます。
遅くしたら、待っている時間が長くなりました。元に戻すべきですか?
落下速度を元に戻し、出現範囲など別の設定を比べる選択があります。「待ち時間は増やしたくないが、遠くまで移動する負担は減らしたい」と、緩めたい部分を言い直してから選び直してください。
難しさの調整中に、当たり判定がおかしいと気づいたら?
その設定の採用判断をいったん保留します。意図どおりに当たるかという動作確認と、どの程度難しくするかという設計は分けて扱い、正常に動く状態へ戻ってから比較を再開しましょう。
調整したい遊びを、教室で具体的に相談する
「難しいゲームを簡単にしたい」だけでなく、「落ちる速さは残し、次の物へ移動する余裕を作りたい」と伝えると、検討したい設定が明確になります。教室で相談するなら、今回の表のうち、残したい難しさと変更候補を示してください。
CotoMiraiでは、一人ひとりの興味関心や理解度、目標に合わせた個別指導を行い、プログラミングやロボットなどのデジタルものづくりを扱っています。詳しくは個別指導・使用教材の案内をご確認ください。自作ゲームの難易度調整を体験で扱えるかは、作品の内容とあわせて事前に相談してください。
公式案内では、年中以上のお子さまは無料体験から、年中未満のお子さまはプログラミングトイスポットからの参加が案内されています。希望する内容や日程は、申し込み時にご確認ください。
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