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子どものゲーム制作で作りたいことが増えすぎたら?最初に遊べる版を決める設計シート

コラム

「冒険もできて、お店もあって、友達とも遊べるゲームを作りたい」。子どもの構想は楽しそうなのに、作るものが増え続け、何から始めるか決まらないことはありませんか。

そんなときは、大きな構想を取り消すのではなく、いちばん試したい遊びが成立する「最初に遊べる版」だけを先に決める方法を提案します。「今回は作るもの」と「次の版で考えるもの」を分け、完成とする条件を短い文にしておきましょう。

この記事は、ゲーム制作の構想を小さく分けるための実践案です。コードの不具合を直す手順ではなく、作り始める前や機能を追加する前に、制作範囲を決めることに絞って紹介します。

「小さくする」ときも、子どもが楽しみにしている部分は残す

最初に「それは難しいから、簡単なものにしよう」と決めるのではなく、「そのゲームの、どこをいちばん遊んでみたい?」と尋ねてみてください。

たとえば、宇宙を旅するゲームでも、本人が作りたいのは「宇宙船を操縦すること」かもしれません。一方で、「いろいろな星で違う生き物に出会うこと」が中心の場合もあるでしょう。残すべきものは、同じ宇宙ゲームでも違います。

ここでは、作品から外すと本人が「それでは作りたいゲームではない」と感じる部分を、楽しさの核と呼びます。保護者が簡単そうな題材へ変更するのではなく、核を残したまま、その周囲を小さくします。

Scratch Foundationは、構想・計画・試し直し・振り返りを支える公式教材として、Scratch Design Journalを公開しています。以下の設計シートはその翻訳ではなく、家庭で制作範囲を決めるための本記事独自の提案です。

最初の版は「操作・反応・区切り」で決める

「小さなゲームを作ろう」だけでは、何を残すか決めにくいものです。まず、次の形で遊びを書いてみましょう。

「プレイヤーが〇〇すると、△△が起きて、□□になったら一区切り」

たとえば、宝探しなら「矢印キーで主人公を動かすと、宝に近づける。宝に触れたら『見つけた』と表示されて一区切り」とします。これが今回作る範囲です。

タイトル画面、持ち物一覧、複数の街などは、いったん含めません。ただし、本人が楽しみにしているのが「集めた宝を並べること」なら、宝を拾うだけでは核が残りません。その場合は、移動する世界を狭くして、集めたものが並ぶ部分を残す案に変えます。

何を省くかは「それがなくても核を試せるか」で判断する

大きな構想の例 残したい核 最初に遊べる版の案 次の版へ回す候補
たくさんのコースがあるレース 曲がりながらゴールを目指す 一つのコースでスタートからゴールまで走る 車種選択、ランキング、別コース
店を経営する冒険ゲーム 商品を選んでお客さんに渡す 一つの店で注文された商品を渡す 街の移動、店の増築、仕入れ
生き物を集めるゲーム 見つけた生き物が図鑑に増える 一つの場所で生き物を見つけ、図鑑に表示する 広い地図、育成、対戦

表は架空の設計例であり、必要な制作時間や、その子が実装できる範囲を示すものではありません。「図鑑表示よりも出会う場面を作りたい」と本人が選ぶなら、残す内容を入れ替えて構いません。

親子で埋める「最初に遊べる版」設計シート

紙やメモに、次の項目を書き写して使ってください。文字で書く負担が大きい場合は、子どもが描いた絵に保護者が短い説明を添える形でも使えます。

  • いつか作りたい全体像:どんな世界・遊びにしたいか。
  • 今回いちばん残したい楽しさ:どの場面を自分で遊んでみたいか。
  • プレイヤーの操作:押す、動かす、選ぶなど、何をするか。
  • 操作への反応:何が動く、変わる、表示されるか。
  • 今回の完成条件:どこまでできたら、最初の版として区切るか。
  • 今は作らないもの:追加したいが、今回には含めないもの。
  • まだ分からない作り方:実装方法を調べたり、教室で確認したりしたい部分。

記入例:迷路と宝探しを組み合わせたい場合

全体像は「いくつもの部屋を回り、鍵で扉を開けて宝を探すゲーム」。残したい楽しさが「鍵を見つけて扉を開けること」なら、最初は一部屋と一つの扉に絞る案にします。

操作は主人公の移動。反応は、鍵に触れると鍵を持った状態になり、その後に扉へ触れると通れること。完成条件は「鍵を取る前は通れず、取った後は通れて、宝に到着できる」と書きます。

別の部屋、敵、制限時間は「今は作らないもの」へ。鍵を持った状態をどう表すか分からなければ、その点は未確認として残します。完成条件を決めることと、作り方が分かっていることは別です。分からない部分を保護者がその場ですべて解決する必要はありません。

制作途中で新しい案が出たら、追加前に置き場所を決める

最初の版を決めた後でも、「夜になったら敵を出したい」「お金も使いたい」と案が増えることはあるでしょう。新しい案は消さずに書き留め、すぐ制作へ加えるかを次の基準で分けてみてください。

記事の途中で1分・5問

お子さまに合う学び方診断

正解・不正解を決める診断ではありません。今の様子から、取り組みやすい学び方の入口をご案内します。

  • 今の版に必要:決めた完成条件を満たすために欠かせない。
  • 次の版で試す:今の遊びが成立してから追加できる。
  • 別作品の候補:遊びの中心や必要な仕組みが大きく変わる。

たとえば、鍵を取って扉を開けるゲームなら、「鍵を持っていると分かる印」は今の版に必要と判断する案があります。一方、「お金を集めて鍵を買う」は、お店や所持金の仕組みも考えることになるため、次の版の候補に置けます。

迷ったときは、「これを入れると、ほかに何を作る必要がある?」と確認します。「敵を増やす」だけに見えても、攻撃、体力、負けた後の戻り方まで作りたくなるかもしれません。追加案そのものの大きさではなく、一緒に必要になる仕組みまで見て選びましょう。

本人が新しい案をどうしても優先したいなら、ただ積み足すのではなく、今回の完成条件を書き換えます。その際は、代わりに後回しにするものも決めてください。

最初の版を完成にする日と、次を作る日は分けてよい

決めた操作・反応・区切りがそろったら、その時点で「最初の版は完成」とします。追加したいものが残っていても、最初に決めた範囲を達成したことまで取り消す必要はありません。

たとえば「宝までたどり着けた。でも音がない」なら、音を今回の条件に入れていたかを確かめます。入れていなければ、音の追加は次の版の仕事です。見栄えを整えることと、決めた遊びが成立することを分けて扱いましょう。

反対に、残した範囲でも難しい場合は、さらに小さくして構いません。「迷路を移動して鍵を拾う」前に、「鍵をクリックすると扉が開く」仕組みだけを試す案もあります。ただし、これは移動を含むゲーム全体ではなく、扉の仕組みを確かめる小さな試作品です。何ができた版なのかを、名前やメモで区別しておきます。

何回で完成するかは、構想だけでは分かりません。家庭で期限を断定するより、未確認の作り方が残っているかを見て、必要なら制作範囲を調整してください。

よくある質問(FAQ)

小さな版を作ると、子どもの発想を狭めませんか?

ここで提案しているのは、全体の構想を捨てる方法ではありません。全体像と後で作りたいものを残したうえで、今取り組む部分だけを選びます。保護者の都合で好きな部分を外さず、本人が核を選べる形にしてください。

子どもが「全部必要」と言ったら、どう分けますか?

「最終的に必要なもの」と「最初に試すために必要なもの」を分けてみましょう。それでも選べなければ、全体から一場面を切り出し、「この場面だけ先に動かすなら?」と絵で示す方法があります。

幼児にも同じ設計シートを使えますか?

すべての欄を埋める必要はありません。「触る前の絵」と「触った後の絵」を並べ、何をすると何が起きる作品かを選ぶ使い方を提案します。長い説明文や完成予定日まで求めない形にしましょう。

絵や音を先に作りたがる場合も、後回しにしますか?

必ずしも後回しにしません。自作のキャラクターが動くことや、音を選んで鳴らすことが核なら、そこを最初の版に残します。その代わり、登場する場所や遊びの種類を絞る案を考えてください。

教室には、どの程度まで計画を決めてから行けばよいですか?

実装方法まで決める必要はありません。全体像、今回残したい楽しさ、分からない仕組みが分かれていれば、制作範囲について尋ねる材料になります。持ち込み作品を体験で扱えるか、希望する内容を試せるかは、申込時点では不明なので事前に確認してください。

CotoMiraiで、構想を最初の一作品へつなげる

CotoMiraiは、南青山でプログラミングやロボットなどのものづくりを扱い、年齢・興味・理解度に合わせた個別指導を行っています。指導方針はCotoMirai公式サイトで確認できます。

無料体験を検討する際は、「大きなゲームを全部完成させたい」だけでなく、「鍵を拾って扉を開ける場面から作ってみたい」のように、最初に試したい範囲を添えてみてください。設計シートは、その範囲を伝えるためにも使えます。

公式の申込案内では、年中以上は無料体験からの流れが示されています。年中未満は別の参加案内となるため、対象や申込方法を確認したうえでお問い合わせください。

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