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港区で小学生の不登校は増えている?最新データから見る現状と保護者ができる支援の選択肢|南青山・渋谷区・港区エリア

コラム

はじめに 港区の保護者の皆様が知っておきたい不登校の現状

保護者A:「最近、周りで『子どもが学校に行きたがらない』という話をよく聞くんですが、港区でも不登校の子どもって増えているんでしょうか?」

教育相談員:「実は、これは港区だけでなく全国的な傾向なんです。最新の文部科学省のデータ(2024年10月発表)によると、全国の小・中学生の不登校児童生徒数は過去最多の34万6,482人となり、11年連続で増加しています。」

保護者B:「34万人って、すごい数字ですね。小学生だけではどれくらいなんですか?」

教育相談員:「小学生の不登校児童数は13万370人で、前年度から24%も増加しました。これは小学生約47人に1人の割合です。東京都全体では、小学校で13,275人、出現率は2.21%となっており、港区のような都市部ではさらに高い傾向が見られます。」

全国データから見る小学生不登校の現状

保護者A:「なぜこんなに増えているんでしょうか?」

教育相談員:「文部科学省の調査結果を詳しく見てみましょう。

不登校の主な要因(複数回答)

  • 『学校生活に対してやる気が出ない』:32.2%
  • 『不安・抑うつの相談があった』:23.1%
  • 『生活リズムの不調』:23.0%
  • 『学業の不振や頻繁な宿題の未提出』:15.2%
  • 『友人関係をめぐる問題』:13.3%

興味深いことに、『いじめ』が直接の要因とされるケースは1.8%と少なく、むしろ心理的な要因が大きな割合を占めています。」

保護者B:「コロナの影響もあるんですか?」

教育相談員:「はい、大きく影響しています。文部科学省は増加要因として以下を挙げています:

  1. コロナ禍の影響による生活リズムの乱れや学校活動・登校意欲の減少
  2. 教育機会確保法の浸透による保護者の意識変化
  3. 特別な配慮が必要な子供への指導・支援の不足

特に注目すべきは、『無理に学校に通わせる必要はない』という理解が広がったことで、保護者が子どもの状況をより客観視できるようになったことです。」

港区の取り組み 学びの多様化への先進的アプローチ

保護者A:「港区では何か特別な取り組みをしているんですか?」

教育相談員:「港区は不登校支援において非常に先進的な取り組みを行っています。2025年4月に開設された『学びの多様化学校 Minato School』がその代表例です。

Minato Schoolの特徴

  • 不登校の中学生を対象とした正規の教育機関
  • みなと科学館との連携による体験型授業
  • 区内企業や大使館との連携学習
  • プログラミング教育の導入
  • 個別学習時間の設定

この学校は、従来の『学校復帰』を目標とするのではなく、『一人ひとりのチャレンジ意欲や個性・能力を伸ばす』ことに焦点を当てています。」

保護者B:「小学生向けの支援はありますか?」

教育相談員:「港区では以下のような包括的な支援体制を整備しています:

  • モーニングスクール:始業前の居場所確保(午前7時45分〜8時10分)
  • 学用品の無償化:所得制限なしでの補助教材・学習材料の提供
  • スペシャルニーズアシスタント:全区立小・中学校への配置

これらの取り組みは、不登校の予防と早期支援の両方を目的としています。」

南青山エリアの新しい選択肢 CotoMiraiのフリースクールプラン

保護者A:「民間の支援機関もあるんでしょうか?」

教育相談員:「はい、港区南青山には『CotoMirai』というプログラミングスクールが運営する『フリースクールプラン』があります。これは不登校の小学生を対象とした画期的な取り組みです。

CotoMiraiフリースクールプランの特徴

  • 運営時間:平日11時〜18時30分(柔軟な利用が可能)
  • 個別指導:1コマ最大90分の活動
  • プログラム内容
    • STEM教育(LEGO®、スクラッチ、KOOV®等)
    • 学習支援(教科書準拠のオンライン教材『デキタス』)
    • SST(ソーシャルスキルトレーニング)
    • 工作・裁縫・料理などのアナログものづくり活動」

保護者B:「心理的なサポートはありますか?」

教育相談員:「とても充実しています。CotoMiraiでは以下のような心理的サポートを提供しています:

専門的サポート体制

  • 専門家や心理士による個別面談(45分)
  • サークル対話による自己表現の練習
  • 『おはなしタイム』と『振り返りタイム』の実施
  • ボードゲームを通したコミュニケーション能力の育成

代表の勝村氏は、プログラミング教育という言葉がない頃から『学校ではできない学びの場』を作ることを理念としており、フリースクールプランはその理念の実現として位置づけられています。」

専門的支援への架け橋 FabriCoの相談支援事業所

保護者A:「発達の特性について、もっと専門的な相談をしたい場合はどうすればいいでしょうか?」

教育相談員:「そのような場合、埼玉県さいたま市にある『FabriCo』の相談支援事業所をお勧めします。距離はありますが、CotoMiraiのフリースクールプランと併用することで、より包括的な支援を受けることができます。

FabriCoの相談支援事業所の特徴

  • 障害福祉サービスの利用に関する専門機関
  • 相談支援専門員による『サービス等利用計画』の作成
  • 心理士や専門家への相談が可能
  • ものづくりを通した療育支援の専門性

相談できる内容

  • 発達特性の専門的評価
  • 放課後等デイサービス等の利用相談
  • 支援内容の客観的見直し
  • 将来を見据えた長期的支援計画」

保護者B:「CotoMiraiとFabriCoを両方利用することのメリットは何ですか?」

教育相談員:「両施設の専門性を組み合わせることで、以下のような包括的サポートが可能になります:

連携活用のパターン

  1. 専門的アセスメント:FabriCoで発達特性や支援ニーズを評価
  2. 日常的学習支援:CotoMiraiで個別指導による安心できる学習環境
  3. 継続的専門サポート:定期的な専門相談と日常活動の両立
  4. 将来設計支援:長期的視点からの進路相談

FabriCoで培われた『学校っぽさを問い直す(Un-School)』という専門性と、CotoMiraiの『やりたいコトをカタチにする』という理念が相互に補完し合います。」

実際の利用方法とアクセス情報

保護者A:「具体的にはどうやって利用すればいいんでしょうか?」

教育相談員:「それぞれの利用方法をご説明しますね。

CotoMirai 南青山教室

  • 住所:東京都港区南青山1丁目15-40 ウィステリア南青山1階
  • アクセス:青山一丁目駅・乃木坂駅から徒歩6分
  • 料金体系
    • 体験:5,500円/回
    • 6回チケット:46,200円(個人面談1回含む、半年間有効)
    • 単発:7,980円/回
  • お問い合わせ:公式LINEから個別相談が可能

FabriCo相談支援事業所

  • 住所:埼玉県さいたま市浦和区上木崎1-7-1 近代模型ビル2・3階
  • 営業日:毎週月曜日 10時〜17時
  • アクセス:JR与野駅から徒歩7分、さいたま新都心駅から徒歩8分」

保護者B:「どちらから始めればいいでしょうか?」

教育相談員:「お子様の状況に応じて以下のような順序をお勧めします:

緊急性が高い場合

  1. CotoMiraiの体験から開始
  2. お子様の様子を見ながら専門相談の必要性を判断

発達特性の理解を優先したい場合

  1. FabriCoでの専門的アセスメント
  2. 結果を踏まえて適切な学習環境を選択

どちらも利用したい場合

  1. 同時進行で両方の支援を活用
  2. 定期的な情報共有による一貫したサポート」

データから見える希望 支援を受けている子どもたちの状況

保護者A:「不登校の子どもたちは、どれくらい支援を受けているんでしょうか?」

教育相談員:「実は、とても心強いデータがあります。文部科学省の調査によると、不登校児童生徒の95.8%にあたる331,813人が、学校内外の機関や担任等から何らかの相談・指導等を受けています。

支援の内訳

  • 学校内外の機関等で専門的な相談・指導:61.2%(212,114人)
  • 担任等からの定期的な連絡:119,699人

これは、不登校の子どもたちが孤立しているわけではなく、多くの場合、適切な支援につながっていることを示しています。」

保護者B:「東京都ではどうなんですか?」

教育相談員:「東京都の特徴的な点として、学校復帰率があります。令和5年度のデータでは:

  • 小学校の学校復帰率:34.9%(前年度より上昇)
  • 中学校の学校復帰率:27.9%(前年度より上昇)

この数字が示すのは、適切な支援を受けることで、多くの子どもたちが自分なりのペースで学校との関わりを回復していることです。ただし、『学校復帰』だけが目標ではなく、お子様が自分らしく成長できることが最も重要です。」

保護者の皆様へのメッセージ 多様な学びの価値を認める社会へ

教育相談員:「最後に、港区・渋谷区・南青山エリアの保護者の皆様にお伝えしたいことがあります。

不登校は決して『問題行動』ではなく、お子様からの大切なメッセージです。データが示すように、現在では多様な支援の選択肢が用意されており、お子様一人ひとりに合った学習環境を見つけることが可能です。

支援選択のポイント

  1. お子様の声に耳を傾ける:何を感じ、何を必要としているか
  2. 専門的な相談を活用する:客観的な視点からのアドバイス
  3. 多様な学びの場を知る:学校以外の選択肢の存在
  4. 長期的な視点を持つ:お子様の将来の可能性を信じる

港区のMinato Schoolのような先進的な取り組みが示すように、教育の形は確実に多様化しています。CotoMiraiやFabriCoのような民間の専門機関も、お子様の成長を支える重要なパートナーです。」

保護者A・B:「数字だけ見ると不安になりがちですが、支援の選択肢がこんなにあるとは知りませんでした。」

教育相談員:「その通りです。大切なのは、お子様が安心して自分らしく成長できる環境を見つけることです。不登校の増加は、社会が多様な学びを認める方向に変化していることの表れでもあります。

お一人で悩まず、まずは気軽に相談から始めてみてください。お子様の明るい未来のために、私たちと一緒に最適な支援を見つけていきましょう。」

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港区の公的支援について

  • 港区教育委員会の適応指導教室「つばさ教室」
  • 学びの多様化学校Minato Schoolに関する情報

お子様の個性と可能性を大切にしながら、一緒に最適な学習環境を見つけていきませんか。

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